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令和7年度第1四半期(2025年4月〜6月)の地域経済動向について

2025年8月13日

福岡県商工会連合会が公表した「小規模企業景気動向調査」の結果を基に、令和7年度第1四半期(2025年4月〜6月)の地域経済動向を報告致します。


1. 概況:物価高とコスト増による「停滞感」の継続

令和7年度の滑り出しは、原材料費やエネルギー価格の高騰、人手不足といった構造的な課題が重なり、多くの業種で厳しい採算状況が続きました。ゴールデンウィーク等の季節需要による一時的な売上の押し上げは見られたものの、消費者の節約志向や外需の不透明感から、景況感の本格的な回復には至っていません 。

2. 産業別動向

■ 製造業(食料品・機械金属等)

  • 現状: 原材料費の高騰に加え、米国の関税政策などの外需不安が受注に影を落としています 。

  • 課題: 食料品関連ではコスト高による「増収減益」傾向が顕著です 。一方で、新分野への進出を検討する前向きな動きも一部で見られます 。

■ 建設業

  • 現状: 受注自体は堅調に推移していますが、資材価格の上昇と慢性的な人手不足が利益を圧迫しています 。

  • 課題: 特に民間工事において価格転嫁が十分に進まず、若手職人の確保や熱中症対策に伴うコスト増も新たな重荷となっています 。

■ 小売業

  • 現状: 物価高に伴う消費者の「買い控え」や「節約志向」により、全産業の中で最も厳しいDI値(景気動向指数)を記録しています 。

  • 課題: 衣料品や食料品は生活必需品であるため価格転嫁が難しく、大手店舗との競争激化も相まって、経営の維持が深刻な課題となっています 。

■ サービス業(飲食・宿泊・理美容等)

  • 現状: 観光需要やインバウンドの恩恵を受ける宿泊業は好調な一方、理美容業やクリーニング業などの生活密着型サービスは、利用頻度の低下とコスト増に苦しんでいます 。

  • 課題: 人口減少や顧客の来店周期の長期化が売上伸び悩みの主な要因となっています 。

3. 今後の見通しと留意点

日銀短観などの先行指標でも先行きへの不透明感が示されており、消費抑制の動きが続くことが予想されます 。また、人件費の上昇やエネルギー価格の高止まりが続く中、単なる売上確保だけでなく、**「適切な価格転嫁」「コスト削減」**の両立がより一層重要となります。



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