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令和7年度第2四半期(2025年7月〜9月)の地域経済動向について

2025年11月12日

福岡県商工会連合会が公表した「小規模企業景気動向調査」の結果を基に、令和7年度第2四半期(2025年7月〜9月)の地域経済動向を報告致します。


1. 総況:緩やかな回復基調と山積するコスト課題

今四半期の小規模企業景況は、猛暑や季節需要に支えられ、7月から8月にかけて全産業でDI(景気動向指数)が上昇するなど、緩やかな回復が見られました 。しかし、9月には売上・採算ともに横ばいとなり、景況感は足踏み状態となっています 。

物価高による消費者の強い節約志向に加え、10月からの最低賃金引上げに対する不安や、長引く人手不足、原材料・エネルギーコストの高騰が、依然として地域事業者の採算を圧迫する大きな要因となっています 。

2. 業種別動向

■ 建設業:需要は堅調も「人」と「コスト」が壁

  • 概況: 民間需要や災害復旧工事により受注は堅調に推移しています 。

  • 課題: 価格転嫁は他業種より進んでいるものの、資材高騰と人手不足による外注依存が採算を押し下げています 。また、改正建設業法の全面施行に伴う受注環境の変化への注視が必要です 。

■ 製造業:回復の兆しと不透明な先行き

  • 概況: 8月・9月と2か月連続で全DIが改善しました。特に機械金属関連で伸びが見られます 。

  • 課題: 食料品製造等は観光需要に支えられていますが、人手不足や原材料価格の高止まりが続いており、持続的な回復には慎重な見方が必要です 。

■ 小売業:猛暑による明暗と消費の冷え込み

  • 概況: 7月・8月は猛暑対策商品や夏物家電が好調でしたが、9月は長引く暑さで秋物の販売が伸び悩みました 。

  • 課題: 生活必需品の値上げが相次ぎ、消費者の節約志向が一段と強まっています。コスト増を価格に転嫁しにくい状況が続いており、採算の確保が困難になっています 。

■ サービス業:観光需要の一服と固定費増

  • 概況: 夏休み期間中は旅館・宿泊業が全体を牽引しましたが、9月に入り観光需要は一服感を見せています 。

  • 課題: 猛暑による冷房費(電気代)の増大が理美容業などの経営を圧迫しました 。最低賃金引上げに伴う人件費増への対応も急務となっています 。

3. 今後の見通しと経営上の留意点

今後、秋の行楽シーズンによる需要増が期待される一方で、以下の3点に注意が必要です。

  1. 人件費への対応: 10月からの最低賃金引上げに伴い、さらなるコスト増が予想されます。省力化投資や業務効率化による生産性向上が鍵となります 。

  2. 価格転嫁の継続: 原材料高が長期化する中、適切な価格改定と、それを受け入れてもらうための付加価値(サービス拡充や専門性の向上)の提供が求められます 。

  3. 消費動向の注視: 節約志向が強まる中、顧客のニーズに合わせた柔軟な販促活動や、キャッシュレス決済導入による利便性向上など、顧客層拡大の工夫が重要です

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